どうもこんにちは!ファイナンシャルプランナーのtakaです。
前回のVYMに続いて、米国高配当ETFであるHDVを毎月3万円ずつ積立投資した場合の将来の分配金シュミレーション、第2弾となります。
株価騰落率と増配率・分配金再投資を考慮した計算をちゃんとやっているブログや動画は私が知る限りだと恐らくないですので、米国高配当ETFを積立しようとしている方、またはすでにしている方で、HDVを月3万円積立すると10年後、20年後、30年後の分配金がいくらくらいになるのかを知りたい方は是非チェックしてみてください。
30年分まで計算しているので、ちょっと毎月3万円分購入ということにすると計算がさらに膨大になってしまうので、ここはちょっと年ごとに36万円投資という形でやらせてもらいました。
手動で計算しているので、もしかしたら計算間違いもあるかも知れません。その点、お気付きになられた方はご指摘いただけたらと思います。
それと、今回の計算はあくまでも過去のデータを元にした理論値なので、必ずそのような結果になることを保障したものではございません。投資は自己責任でお願いします。
また、今回の内容はYoutubeの方でも解説していますので、読むのが面倒くさいという方は動画でチェックしてみてください。
それでは、いきます。
HDVの分配金を再投資しない場合で計算
まず最初に分配金を再投資しない場合の将来の分配金を計算してみたいと思います。
まずはこの表をご覧ください。
株価ですが、2021年6月頭の時点でHDVの株価が98ドル前後、ドル円が109円くらいなので、日本円で大体10,700円とさせていただきます。
HDVが設定されて以来の株価上昇率を調べてみたところ、年平均で約5.6%くらい上昇していることが分かりました。なので、今回の場合だと1年目は10,700円円ですが、2年目は5.6%増えるので11,299円に、3年目はこの2年目の株価から5.6%増えるので11,931円になるということです。
投資金額ですが、月に3万円ずつ投資するので、年間36万円になります。
で、36万円で株価10,700円のHDVを購入するので、353,100円で33株購入出来て、6,900円が余ることになります。この余りは次の年の投資金額として加えます。
1株当たりの税引後分配金ですが、まず、HDVの分配利回りはここ数年だと大体3.6%くらいを維持しているので、今回の計算では3.6%と仮定します。そして外国株式なので外国税がかかりますが、確定申告をすることで外国税額控除が利用できて、本来の20.315%に戻すことができるので、今回の計算では税金はザックリと20%で計算しています。
なので、一株当たりの分配金は、10,700円×3.6%×80%という計算式になり、結果は308円となります。1年目は33株購入しているということなので、1年目の税引後の分配金は308円×33株=10,164円です。
そしてHDVはありがたいことに毎年少しずつ増配してくれる傾向にあります(下がる年もありますが平均すると増配傾向)。過去8年の増配率は6.89%という、なかなかの好成績を収めています。
今後もこの増配率の通り増え続けてくれるかどうかは神のみぞ知るところとなりますが、過去10年間の米国の調子が非常に良かったということで、ちょっと独断で済みませんが少し下げて6.5%の増配率とさせていただきます。
1年ごとに6.5%増配していくという計算になるので、1年目の1株当たりの税引後分配金は308円でしたが、2年目は6.5%増配して328円、3年目は349円という風に徐々に増えていきます。
そして2年目以降の計算はこんな感じになります。
年間投資額の36万円に前年の余り分をプラスするので、36万6,900円でHDVを購入します。株価が上がっていることもあり、購入株数は前年よりも少なく、32株です。買えずに余った5,332円は次の年に回します。累計株数は65株となり、1株当たりの分配金も増配しているので、2年目の分配金は65株×328円=21,320円となっています。
そんな流れで計算していくと、以下の表のような結果になります。
3年目の分配金は33,155円となり、5年目は59,796円、そして9年目で12万円(月1万円)を超え、10年目で14万円を超えるまでになっています。
そしてさらに投資を続けると、15年目には262,279円となり月2万円達成、そして19年目で390,048円となり、3万円達成、20年目には427,980円になるということで、19年目にしてようやく月3万円の分配金を達成することが出来ました。
さらに投資をし続けると、25年目には大きく増えて657,516円になります。ここからはさらに加速して増えていきます。
最後の30年目は、なんと973,208円というかなり大きな分配金に成長してくれています。月に8万円って凄いですよね。ラスト10年で一気に伸びてくれました。
分配金を再投資しなくても、月3万円積立投資を30年続ければ月8万円の分配金を受け取れるようになるのは大きいですね。30歳から開始しても60歳で達成できるので、決して無理な訳ではありません。老後の大きな足しになってくれるでしょう。
まさに金の卵を生み出してくれる鶏がHDVなのです。
今後30年間も米国の調子が変わらずに、こんなに順調に伸びることはちょっと難しいのかも知れませんが、一応過去のデータをもとにするとこんな結果になるということですね。
なみに表には載せていませんが、念願の年間120万円、月10万円の分配金は33年目で達成することができます。時期的にはVYMと同じくらいです。
HDVの分配金を再投資する場合で計算
ここからは分配金を再投資した場合の計算結果を見てみたいと思います。
この表の見方は再投資しない場合と基本的に同じですが、1つ違う点があって、その年の余り分と税引後分配金を全て次の年の投資金額に回すということです。
例えば1年目は36万円で33株買ったら6,900円が余り、分配金として10,164円を受け取りましたが、次の2年目では毎年の投資金額の36万円に6,900円と10,164円を加え、377,064円でHDVを購入して行くという形になります。
そんな形で投資をしていくと、以下のような結果になります。
5年目が63,360円、8年目で11万9千円となり、ほぼほぼ月1万円達成、10年目が165,852円の分配金を貰えるという結果になります。一応ほぼ8年目で月1万円の分配金を達成したことになります。
再投資しない場合は9年目で達成していますので、1年早いということになりますが、まだ大きな差は出ていませんね。
13年目で25万円超え(月2万円越え)、16年目で月3万円越え、そして18年目で48万円(月4万円)を達成し、20年目には60万円(月5万円)を超える分配金になってくれます。30歳から開始した場合、50歳で月に5万円の分配金を貰えるということですね。
再投資しない場合は20年目で月に3万5千円くらいだったので、月1万5千円くらい多く貰えるようになっています。ちょっと差が出てきましたね。
HDVは株価上昇率がVYMほど高くないので、全期間通して一定して30株前後は購入できることになります。株価の伸びが悪いのでトータルリターンはあまり上がってくれませんが、その分多くの株数を買えるし、HDVは分配金に関しては増配率が悪くないので、分配金の方はどんどんと伸びていってくれます。分配金だけでみると、HDVはかなり魅力あるETFということが言えます。
で、さらに投資をすると、25年目で100万円越えとなり、27年目で120万円越え(月10万円越え)の分配金になってくれます。VYMよりも2年早い計算です。
30歳から開始して、57歳で月10万円の分配金を達成できるということですね。そして最終的に30年後には1,778,160円にまでなるので、月に15万円弱を受け取れるまでに成長してくれます。
再投資しない場合だと月に8万円なのに対し、再投資することで2倍くらいの分配金にまでなってくれます。
分配金は生活費に使ったり、たまに少し高めの焼き肉やお寿司なんかの贅沢に使ってこそ人生の楽しみにもなるものではありますが、もし分配金を生活費に回さなくても経済的に大丈夫な場合は、再投資して分配金を2倍に増やすというのも、ありなのではないかと思います。
結果をまとめて比較してみる
毎月3万円ずつHDVを積立投資した場合、どのくらい分配金が増えてくれるのか計算してきましたが、結果をまとめるとこんな感じになります。
まず、年間12万円、月1万円の分配金が得られるようになるのは、分配金を再投資しない場合で9年目、再投資する場合で大体8年目となります。VYMの時はこの時点ではほぼ差がありませんでしたが、HDVでは月1万円の時点で差が出始めていますね。
年間24万円(月2万円)の分配金は、再投資しない場合で15年目、再投資する場合で13年目に達成できます。そして年間36万円(月3万円)の分配金は、再投資しない場合で19年目、再投資する場合で16年目で達成できます。
そして終的に月10万円の分配金は再投資しない場合で33年目、再投資する場合で27年目で達成できます。
月月に3万円ずつHDVに投資するだけで、仮に30歳から開始した場合は60歳前後で月10万円の分配金を貰うことができるという訳です。
月に3万円の積立という設定なので、一般的な経済状況の家庭でもけっこう実現可能なのではないかと思います。
そしてやはり再投資する方が分配金が加速して増えますが、再投資しない場合でも、する場合の6年後には達成できるので、意外とそこまで大きな差はないんですよね。なので、生活が厳しい場合は遠慮なく分配金を生活費に回すのが良いと思います。
そしてこちらが分配金を再投資しない場合とする場合の分配金の推移を表したグラフです。
10年目くらいまでは大きな差はありませんが、そこから時間が経つにつれてどんどん差が広がってきますね。
最終的に30年目には再投資しない場合で約97万円、再投資する場合で約177万円の分配金に成長するという結果になっているので、その差は約2倍にもなります。
より分配金を増やすことに専念したいなら、やはり毎年の分配金は再投資するべきということがこのグラフを見ると良く分かります。
HDVで今すぐ月3万円、月10万円の分配金を貰う場合、いくら必要?
現時点でHDVで月3万円の分配金を得ようとした場合は1,250万円の資金が必要になるのであまり現実的ではないですが、HDVの株価成長率や増配率を考慮して、時間を味方につけて積立投資をすることで、月3万円の積立投資でも16年から19年で達成できてしまうんですね。
さらに金額を大きくして、今すぐHDVで月10万円の分配金を貰おうとした場合、4,170万円程度の資金が必要になりますが、時間を味方につけて積立投資をすることで、月3万円の積立投資でも27年から33年で達成可能となります。
月に3万円の積立で、最初こそ年間1万円程度の分配金しかもらえませんでしたが、継続することで月に10万円の分配金も夢ではないということです。
20年後、30年後は資産はどのくらいに増えてくれる?
HDVは株価成長率と増配率はそれなりに高いです。VYMと比べるとどちらも低いのですが、それでもHDVに投資をしていくことで資産の方は順調に伸びてくれます。
まず20年後ですが、
- 投資した金額が720万円なのに対し
- 再投資しない場合で約1,310万円
- 再投資する場合で約1,850万円
にまで資産が増えています。
そして30年後はどうなるのかというと、
- 投資した金額が1080万円なのに対し
- 再投資しない場合で約2,750万円
- 再投資する場合で約5,010万円
にまで資産が増えているという計算になります。
自分が積み立てた金額の2.5倍から4.5倍にまで増えてくれているということで、なかなか良い結果になってくれたのではないかなと思います。
ただ、やはり株価成長率と増配率の2つが両方とも勝っているVYMの方が、資産は順調に伸びてくれたという結果にはなりました。VYMの計算結果についてはこちらの記事で解説していますので、そちらも是非ご覧ください。
HDVは株価成長率がそれほど高くないので、トータルリターンはあまり良くは無いのですが、その分多くの株数を買えるし、HDVは分配金に関しては増配率が悪くないので、分配金の方はどんどんと伸びていってくれます。
トータルリターンはVYMに軍配が上がりますが、分配金だけでみると、HDVはかなり魅力あるETFということが言えます。
ただ、今回の結果はあくまでも過去の配当利回りと株価上昇率、増配率を参考にしたものですので、これから10年後、20年後、そして30年後も同じような数字をたたき出せるとは限りません。
もしかしたらこれより低くなるかもしれませんし、もしかしたらこれよりも良い成績になっているかも知れません。それは誰にも分かりませんので、今回の情報は参考程度にしていただけたらと思います。
また、投資は自己責任でお願いします。